YUI' VOICE (6)


《御礼》


5月25日のソロリサイタルが終わって早くも1週間が経ちました。

本当にたくさんの方々に聴いていただきました。たくさんのチェロ仲間が来てくださったり、日頃応援してくださってる方で当日聴きに来れないという方々にもメッセージやプレゼントなどをいただき、心臓バクバクのなかスタートしましたが、会場の皆さまのあたたかさに支えていただきながら無事に終わりました。ありがとうございました🙇‍♂️(本番中の地震は初体験でしたが、おさまってよかったですね…😅)


今回選んだプログラムは、17歳の時にアメリカからドイツに渡ってすぐに師匠のヴォルフガング・メールホルン先生に渡されたものを中心に組んでみました。

アメリカ、しかも晴れの国カリフォルニアの全寮制の芸術高校で友達とワイワイ過ごしながら送っていた高校を突然辞めて、メールホルン先生の門下生になるためにドイツ、ハンブルクへ飛び込んでみたら、それはもう真逆の世界でした。友達と全寮制で過ごしてた時間からいきなりの一人暮らしで、せっかく英語が話せるようになったかと思ったら、ドイツ語の嵐。。最初は人類の言葉だとは聞こえなかった。。

そしてカリフォルニアとは真逆の天気。だいたい低気圧、雨、曇りが多いハンブルクでしたが、ブラームスがこの天気のなか過ごしていたからこそのあの音楽が生まれたのかぁ〜と思ってみたり。よく頭痛も起きてました😂

それでも晴れた日はめちゃめちゃ綺麗で。真っ青な空と、緑の多いハンブルクでは湖のほとりに音大があったので、練習に煮詰まると近くのアルスター湖に行って屋台のアイスクリーム屋でアイスを買って、ベンチに座って湖に浮かぶ白鳥を見ながらボーっとしたり。

ちなみに、白鳥は湖に浮かんでもらってたほうが素敵です。笑

陸に上がってくると図々しくアイスをねだってくるし、鳴き声も美しくないし、なんせ意外に足が可愛くなくて😂初めてサン=サーンスの白鳥を聴いた時はどんなに美しい鳥なんだろうと思っていましたが、湖にプカプカしてるときだけです! それに関しては騙された。笑😂

話が脱線してしまいましたが、リサイタルの最中は、留学時代の色んなことを思い出させてくれる時間でした。


そして当日は日本で唯一の師匠も聴きにきてくだいました。自分のことを初めてチェロを持った6歳から、アメリカに渡る前の15歳まで育ててくださいました。今はもう87歳、富山から北陸新幹線に乗って一人で聴きにきてくださったのですが、終わった後の先生の嬉しそうな声と優しい笑顔にホッとしました。

先生は昔から絶対怒らない、優しーーーい先生でしたが、曲の合格をなかなかくれない厳しーーーい先生でした。昔は自分も生意気な時期があり、先生シツコイ!!と思ってしまうほど、「もっと音を聞いて。一音も聞き逃さないで。音そのものよりももっと響きを…」と。レッスンで2小節も進まない日もありました。


テクニックを教えてもらうというよりは、音を創り出すことのこだわり、しつこさを叩き込まれたのだと思います。昔から信じられない数の音源や映像をテープやビデオにダビングしてくださり、先生のご自宅はどんな弦プレーヤーの映像、音源、レコードもあり、それはチェロだけではなく、色んな楽器で色んな編成のもので…それこそ音楽図書館状態でした。

チェロはもちろんだけど、チェロだけのコンサートに行くのではなく、ほかの楽器のコンサートへどんどん行きなさいと言われていたので、先生の持つ感覚の引き出しはそれはたくさんでした。

実は先生、プロのチェロ奏者ではなかったのです。アマチュアチェリストで、元々は企業の社長さんでした。スズキメソードの指導者になるために会社をたたんだそうです。それはそれは想像をはるかに超える大変なことだったと思います。昔から熱心だった先生は、パブロ・カザルスが来日するとレッスンを受けに行ったり、聴講に行ったり、カザルスの人間の素晴らしさを昔からよく話していました。

そんな先生に自分の根本を作っていただいたと思っています。いつも本番があると公演の録音を送ったりしていたので、東京まで来ていただいて生で聴いていただけたことは本当に嬉しかったです。


そして最後に、実行委員会の4名には本当に本当にこの日までにたくさんのことをサポートしていただ来ました。ほんとに演奏だけに集中すればいいという状況にしてくださり、この4名の方々がいなかったら実現しなかったこのリサイタルが無事に終わったときは感謝の気持ちのみ!しか!なかったです。

一曲目ステージに立ったときも、4人の気持ちも一緒にステージにありました。

どこの誰だかわからない自分を東京のコンサートで見つけてくれて、あれ誰?ってなっただろうに、ただただ応援してくださいました。帰国してもう8年、右も左もわからず地元福井を中心に細々と音楽活動をしていましたが、「東京でソロリサイタルを!」と声かけていただいたときは、それはもう嬉しくて嬉しくて。

本当に1年以上かけて準備してしてくださり、2時間弱という一瞬の時間でおわり、自分でもその瞬間の思いは強かったと思います。ymgcさん、mkbさん、wbさん、amさん、本当にありがとうございました。


終わって抜け殻状態が続きましたが、また次へ向けてエンジンをかけなおします。

直近では6月15日に京都アルティにて宮田大くんとのシューベルトの五重奏、そして7月14日に地元福井にて山崎伸子先生とのシューベルトの五重奏。6月は2ndチェロを、7月は1stチェロを弾きます。2ヶ月連続シューベルト!幸せ。

詳細は是非またホームページにて確認していただけたら嬉しいです。

これからも自分らしく、自分にしかない感覚を信じて音楽を奏でていきたいと思います。

たくさんのメッセージ、応援を、本当に本当にありがとうございました。


荒井 結


終演後に “よったかさん” と☺️

Yui Arai Tokyo cello recital

荒井 結チェロ・リサイタル実行委員会のオフィシャルサイトです。

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