YUI'S VOICE (1)
こんにちは、荒井結チェロ・リサイタル実行委員会のmkbです。
荒井さんから当HPのためにメッセージをいただきました。ファンの方はもちろん、「荒井結ってどんな人?」「どんな演奏をするの?」「リサイタルに行こうかどうか迷っている」という方にこそ読んでいただきたい永久保存版! インタビュー形式で不定期にお届けいたします。
ーーまずは来年5月のリサイタルへの意気込みをお願いします。
荒井 このたびはソロリサイタルをさせていただけることになり、本当に感謝しております。ソロリサイタルとして東京の皆様に聴いていただくことは初めてになりますので、いまからドキドキしておりますが、ワクワクもしております(笑)。
留学生活から帰国して早8年になろうとしています。中学卒業後、音楽を専門的に勉強しようかとなったときに、地元福井を、そしてどうせ出るなら日本を飛びだしてしまえ!という勢いで出ていったわけですが、勉強したアメリカとドイツでは様々な経験をし、いろいろな人たちと出会いました。そして目まぐるしく起こる、変化する世界情勢を当時の自分の目線から見て、いろいろなことを感じてきました。
帰国前には、ドイツでの師匠ヴォルフガング・メールホルン先生に「忘れてはいけない、僕も君も音楽家である前に1人の人間であるということ」という言葉をいただきました。1人の人として、たまたまチェロを弾いていた1人の音楽家。
楽器を奏でるといううえではもちろんテクニックはそれなりに必要です。それは練習の繰り返しで得ることができると思います。音楽を表現することに必要なことはいろいろなことを見たり聴いたり感じたり、人が持って生まれたすべての感覚を自分のフィルターにかけて出すことだと思います。
ーーリサイタルのプログラムについて教えてください。
荒井 今回のプログラムはシューマン、カサド、シュトラウスという組み合わせにしてみました。
シューマンが持つ独特な感覚はソロを弾いても室内楽を弾いても毎回彼の頭の中を迷路のようにぐるぐると回ってる感覚があり、その明確ではない分からないでいるところもまた魅力です。
カサドの無伴奏チェロ組曲は3楽章を通してもそんなに長い作品ではありませんが、作品を通して彼の故郷への想いがたくさん詰まってる作品だと思います。どこか懐かしい雰囲気だったり風景だったり民謡だったりを思わせます。
シュトラウスのチェロソナタは彼が18歳くらいの時に作曲した作品です。実は自分も17歳の時にドイツに行ってすぐに取り組んだソナタがこのシュトラウスのチェロソナタなんです。ドイツの師匠にもまずはこれでしょ!と渡されたのがこれでした。てっきりハンブルグに来たんだし、すぐにブラームスのソナタだろうな!なんて思っていたので、最初は知識のない小さな自分がキョトンと何これ?と受け取りました(笑)。
いま思えば当時の年齢から、スッと作品に入れたことはよく覚えてます。師匠のチョイスにも感謝します。ファンキーで元気なアメリカ・カリフォルニア州から、寒〜い暗〜い冬の北ドイツ・ハンブルグという新しい地に着いて新しい気持ちで最初の和音を弾きました。そのときの感覚をなんとなく思い出しながら、そしてまた10代から30代になった自分のフィルターにかけたシュトラウスのチェロソナタに取り組むのは楽しみです。若々しくいきたいと思います。
ーー荒井さんのフィルターにかけられた音楽、じっくり聴きたいです。
荒井 彼らを含めたたくさんの芸術家たちがこの世にたくさんの作品を残してくれました。
人が生み出した作品というのは、すべての芸術作品が持つ喜怒哀楽とそれを表現する者が持つ感性がリンクしたときに初めて作品として出来上がると思います。それと同時に自分にとっても何か解き放たれる瞬間がある気がします。
学生の頃は何に関してもあんなふうに、あの人のように、ということばかり頭にありましたが、いまは自分が持つ世界観や感覚で作品を表現できるといいなと思います。
もちろん音楽家としてはこれからも長い長い人生なので、一つ一つのステージでたくさんのことを学びたいです。
星の数ほど演奏会がある東京でのソロリサイタルですが、聴いてくださる方々がいての演奏会です。本当にたくさんの方々に聴いていただけると嬉しいです。
↑ 結さんです(笑)
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