YUI'S VOICE (9)

ーー今日はベトナムでの演奏会を振り返っていただけますか?

荒井 ようやく涼しくなってきて、9月ももう後半に入っていることにびっくりしてます(笑)。帰国してから色んなことに追われ経験しつつ、あっという間にベトナムで弾いたブラームスから1ヶ月が経とうとしています。

ベトナム、ホーチミンでは連日、ひたすら食べていました。なんせ毎日オーケストラとのリハーサルが朝8時半に始まり、10時頃には終わっているので、とにかく1日が長い! 朝からブラームスの二重奏協奏曲を全楽章弾いて、リハーサルが終わって時計を見てみるとまた朝10時前、という感覚がなんだか変な感じがしました。リハーサル中は必死に音を弾いてますし、音楽の内容もなかなかヘビーなので色々考えることもたくさん。だからなのか、その1時間半がとても充実しているのだと思います。

早朝から汗だくになり、なんだかたくさんのことをしたなぁと思ってもまだ昼前だというのはお得感がありました。姉はそのルーティーンに感激しており、この生活いいかも!と(笑)。まさに早起きは三文の徳ってやつだなと思います。


ーーやはり日本のオーケストラとは勝手が違うのですね。

荒井 コンサート当日、まさかゲネプロはそんな早朝ではないだろう〜、、、と思っていたのですが、本番の開演は20時なのにやはりゲネプロは朝の8時半でした(笑)。

そしてゲネプロは演奏会の会場であったホーチミンのオペラハウスであったのですが、朝8時半だからかクーラーがまったく効いていない状態でして、、、湿度は150%くらいか!?というほど水の中みたいでした(笑)。ケースから楽器を出した瞬間から指板がベッタベタになりましたが、いつも以上に指板が滑りまくってある意味では絶好調でした(ある意味では絶不調。笑)。逆に夜の本番ではキンキンに冷えてたので、その差にも圧倒されました。

本番ではオーケストラのバックのでかいスクリーンに映像が流れ、色んな色の照明が動いたり変わったり・・・・(笑)。これも一つの経験!と思い、チェロにも自分にも「耐えてくれ!」言い聞かせてmyチェロちゃんもいっしょに頑張りました。

ゲネプロから本番までが10時間以上空いていたので、ぶっつけ本番の感覚での演奏でしたが、姉との二重奏協奏曲も実現できたので今回のこの機会には本当に感謝です。

(実はまだまだツッコミどころ満載な出来事があったのですが、、、例えばブラームスの後になぜか現地のポップシンガーがマイケル・ジャクソンを歌って、その後にオーケストラがベートヴェンの田園。。笑)

ーーベトナムのオケの方々はどんな感じでしたか?

荒井 コンサート終了後はサイゴンフィルの皆さんが本当に温かく声をかけてくださり、いっしょに写真を!や、握手を!や、とにかくみなさん良い人たち!という印象でした。

あと、オーケストラのチェロセクションに日本人の方がいらっしゃいました。普段はタイのオーケストラで弾いていて、今回はエキストラ出演としてサイゴンフィルハーモニーオーケストラに乗ってくださっていました。日に焼けてるせいか最初は現地の方かなと思ったら、突然日本語を喋り出したのでびっくりしました。「僕タイ人よりも日に焼けてるのです!(笑)」という楽しい方でした。初めてのベトナムの地で日本人に、しかもチェロ弾きに会えたのは嬉しいことでした。(写真を撮り忘れたのだけが後悔。。)

そして一番びっくりしたのが、演奏会の後、会場を出たらたくさんの団員さんたちが、ほぼみんな原付バイク・・・。二人乗り、もちろん背中には楽器。チェロも原付バイクに乗ってました(笑)。今回ベトナムでいちばん圧倒されたのは、原付バイクの乗り方、乗ってる人数、乗せている荷物、そして運転技術です(汗)。「いっしょに乗るかい?」と言われて、「No, thank you!!」と言ってしまった自分にも少し後悔(?)しつつ、でもベトナムはとても素敵な国、ベトナムの人々も最高に素敵だとわかったので、また行きたいなと思います。まだまだ知らない世界がたくさんあるな〜ということを胸に、無事に帰国しました。


ーー楽しい演奏旅行だったようで何よりです!

荒井 来月は静岡県浜松市にある浜松市民オーケストラとドヴォルザークのチェロ協奏曲です。これまた素敵な機会をいただきました。感謝です。体力づくりから頑張ります!

↑これがその原付2人乗り+チェロ、ですね!😅

Yui Arai Tokyo cello recital

荒井 結チェロ・リサイタル実行委員会のオフィシャルサイトです。

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